うなぎの日常

ぬるりとのびる

小金稼ぎ

小金を稼ぐのが好きな人たちがいるなぁと思う。
お金を稼げそうとなると目の色を変えて、飛びつき稼げなさそうとわかると飽きて手放しちゃう人たちだ。

じぶんもお金は好きだからお金を稼ぎたいのはわかるんだけど、あんまりにも現金で品がないように思える。
しかもそれで大したお金も稼げず、本業に影響が出たりしてるもんなら笑えない。

そもそも、何でお金にそんなに魅力を感じてるのかがわからないんだよなぁ。第二ぐらいの目的になるならわかるんだけど、それを第一目的にして目をらんらんとさせている。

その人たちは、おいしい夕飯の価値とか落ち着く人とのひとときとか、そういうものがわからないわけじゃないと思うんだ。
もうちょっと興奮せず、落ち着いて目の前や身近にある問題点とか、そういうものに目を向けた方が豊かに生きられるんじゃないかなぁと思うのである。

恵比寿の路上にて

今日恵比寿で女のひとに声をかけられた。

 
彼女の容姿はこんな感じだった。頭には柔らかな布を巻き、肌は浅黒く、鼻がたかい。そして声は高めでまるく、言葉がだいぶつたなかった。
そう、あきらかに彼女は異国のひとだった。
インドネシアかインドの出身だろうと思われるいでたちだ。
 
そして、彼女は子供のようにつたない言葉でぼくに話しかけてきた。
ぼくは話しかけられた瞬間に「ああ、彼女は異国に来て、たどり着きたい場所にたどり着けてないんだろう」と思った。
異国の地のこんな夜にひとりでさまようその寂しさは理解できる。助けてあげたいと思った。
 
だけども立ち止まったぼくに、彼女は思いもがけない言葉を言った。
 
「この紙を読んでください」
 
ぼくは言われたままに彼女の持つ小さい紙に視線を向けた。そこにはそこそこうまい字でこう書いてあった。
 
「恵まれない子供達を支援してください」
 
そして彼女はこう言った。
 
「私たちの国は貧乏です。募金してください」
 
ここまでだと別によくある話だと思うが、ぼくは彼女にというよりこの場に強烈な違和感を感じた。
彼女の国は恵まれないのになぜ彼女はこの国へ来て、そしてひとりで誰の支援も受けず、恵比寿の夜道で道行くひとに声をかけているのだろうか。
 
別に募金なんか募ってないで働けと言うつもりはない。
ただ一人路上で募金を募るのはあきらかに非効率だし、集まるかわからないお金をアテにしてこの子は日本に渡ってきたんだろうか。
 
そしてぼくは彼女の真偽を疑い、「いや、大丈夫です」となんとも間抜けな返事をしてその場を立ち去った。
ぼくには彼女の裏になんらかの作為が感じられてならなかった。困ってそうな外国の人に声をかけられれば誰だって立ち止まるし、「恵まれてない子供たち」ってのは募金をつのる時の常套句だ。
そして誰に書いてもらったかわからない日本語の紙、そしてそれを読んでくれという言葉。
日本語がわからない、貧しい国の人、女の人、恵まれていない子供。弱者のオンパレードだ。
 
裏に弱者をむさぼる作為が自分には感じられた。
もしかしたら本当に恵まれない国から来た、純粋な募金を募ってる女の人だったのかもしれないと考えると、自分の対応は最悪だったのかもしれない。
なんともモヤモヤする出来事だった。

池袋のサクラカフェにて

今日は池袋のサクラカフェで作業をした。
サクラカフェはバックパッカーが御用達のゲストハウスに併設されたカフェで、ご飯がおいしく雰囲気もゆるくて長時間作業するには向いているカフェなのだ。

作業をはじめて1時間ぐらいたった時だろうか。
30代にはなってないくらいのヒョロくて、でもしっかりとした喋り方の男の人に話しかけられた。

「あのテレビ東京のものなんですが、これからここで番組を撮る予定なんです。なので、背景に映り込む可能性があるんですが大丈夫ですか?」

あー、そういうやつかぁと思いながら、別にだれに後ろめたいこともないので、はっきりと「はい、はい」と相槌をうったあと「大丈夫ですよ」と答えた。
こういうのよくあるよなぁと思いながら作業を再開した。

そして作業を再開して30分たったあたりだろうか、またさっきのテレビ制作会社のひとに話しかけられた。

「あの今外国人がよく集まるカフェという感じで番組を作ってまして、」

ああ、そういう企画ならこの場所はピッタリだよね。

「それで外国の方の話を聞きたくてですね」

なるほど、なるほど。よくあるよね、番組とかで訪日外国人の話を聞くの。

「ところであなたはどこの国の人ですか?」

!?
え!?
なんて!?
なんだって!?
なんと言った!?

あなたはどこのくにのひとですか?
あなたはどこのくにの。。

えー、いやいやふつうに流暢に日本語喋ってただろ。なんで観光客が日本語そんなにうまいんだよ。
それとも俺の喋りがカタコトだったのか?

いろいろ思考を巡らせてみたものの、あんまり黙るのもあれなので自分は苦笑しながらこう答えた。

「いや、ふつうに日本人ですよ」

そう答えるとお兄さんは気まずそうにしながら、

「あ、すみません。日本人なんですね。あっちにいるひとは外国人なんですよね」

と、おそらく韓国か中国のひとであろう人に手を向けて話した。
その人を見ると言われればそうかなってぐらいのレベルの顔で、日本人だと言われても疑わない顔つきをしていた。

なるほど、たしかにあの人が日本人じゃないと言ったら俺も外国人に見えるかもしれない。
ただお兄さんはさっき俺とたしかに話したじゃないか。
そんなに俺の話し方はつたないのか。。

そんなことを考えて作業どころじゃなくなってしまった、サクラカフェだった。

ジャニオタと彼氏三人理論のハナシ

この間、合コンぽいものに久々に参加した。
友達は飲み会だと言い張っていたが、男女比1:1で初対面という状況が合コンじゃなければなんだというんだろうか。

合コン自体はそんなに面白くなかったんだけど、二次会(男だけの反省会)でのとある人(Jさんとしておこう)の発言がおもしろかった。
こうボソッと言ったのだ。

「やっぱりジャニオタはダメだよ」と。

Jさんの話を聞いてみると、ジャニオタの銀行員と銀行について銀行の融資などについて色々話しこんで、ガッカリしたとのこと。
そしてJさんは離婚したばかりで、その奥さんもジャニオタだったらしい。
Jさんいわく、ジャニオタはマスに毒されている典型例だと。

まぁ、たしかにジャニーズはザ・マスメディアという存在だし、自分も好きじゃない。
ということをJさんに言った。

するとJさんはこう言った。
「そもそも結婚してるのに他の男に熱をあげるなんてイヤだよ」と。

これには俺も同意だ。だけど、ここでふと違う日に違う人と話した中で言われたことを思い出した。

俺が「結婚する人には妥協とかで結婚相手(つまり俺自身)を選んでほしくない」と言ったら、話してた人がこう言ったのだ。
「それはロマンチスト過ぎますよ。女の人はもっと打算的ですよ」と。

そして同時に岡田斗司夫が提唱していた「彼氏三人理論(女の人は彼氏を1人に絞るから不満が出てきて別れてしまう。だから性質の違う彼氏を三人つくれば、一人に求めなくなるからそれが良いという理論)」を思い出し、この三つが一つに繋がった。

「そうか、ジャニオタはまさに彼氏三人理論を実践してる、現実的な視点の持ち主なんだ」と。
彼女らは実際の彼氏は一人だが、見た目のかっこよさや王子様感など、そういう彼氏が持っていないものはジャニーズに求めているのだ。
そして夢中になる対象を広げれば、(会えないにせよ)架空彼氏はいくらでも増殖可能だ。

実際、ジャニオタの友達は「イケメンはジャニーズで満たすからいいよ。マジメで遊びまわらず、安定していれば良い」と言っていた。

そんなことをJさんに伝えると、Jさんは気づいたようにこう言った。

「そうか。ジャニオタを夢見がちな現実を見れない人たちだと思ってたけど、実際は現実を見れていなかったのは俺たちの方だったんだな」と。

ゴードンメソッド(親業)とは?

この記事はこちらに移行しました。

https://11-30am.com/177/

ゴードンメソッドメモ - 返事のIメッセージ

「返事のIメッセージ」は、相手からの誘いや頼みごとを断るときに使う。
「返事のIメッセージ」は次の二部構成で成り立っている。

  1. 断る意志
  2. 理由

断る意志について

相手からの依頼を断る意志を明確に表現しましょう。外的な条件のせいにして「やりたいけどできない」という断り方にしない。

外的な条件のせいにした場合、

例1:
「主人がダメって言うので。」
「それでは、私からご主人にお話しましょうか。」

例2.
「とんでもない、力不足ですから。」
「いえ、あなたに力不足と言われては、他にできる人なんかありませんよ。」 

 と言うようにさらに断りにくい状態になることが多い。

明確に断るために次のような表現を使うといい。

  • 私はやりたくありません
  • お断りします
  • 私は入らないことにしました
  • 買わないことにします
  • 行かないことにするね

事例

Tさんの家は個人商店です。パンの卸売業者のNさんが、パンの注文と一緒に他のギフト商品をかなりしつこく斡旋してきます。
 「奥さん、ギフト用カタログのどれか一つでも注文して下さいませんかね。」
 「いやあ、仕入れるのは無理ですよ他のギフト商品がたくさんありますから。」
 「そこを何とか、一つでいいですから、お願いします、奥さん、必ずすぐ売れますよ。<防御>」
 「どれか一つでもいいから、仕入れてほしいみたいですね。<繰り返し>」
 「そうなんです、私にもノルマがありまして、助けてください。<防御>」
 「Nさん、ノルマがあって大変なんですね。<気持ちをくむ> でも、うちだって在庫がたくさんあるときにまた仕入れると、陳列場所にも困るし、支払いも多くなるのでやはり仕入れないことにします。」
 「そうですか・・・・・・わかりました。また、お願いします。」

 相手が防御に転じたら「能動的な聞き方」に切り替えるパターンは同じ。

考察

この回はいたって普通のことを言っている。率直に理由をつけて断るってことなんだけど、それがむずかしい。

ただ、「まっすぐに断っても食い下がられるから引き受けてしまう」というパターンには、相手が防御した時に「能動的な聞き方」に切り替えるって方法で対処できるかもしれない。

このメソッドだけに限らないが、まずは文字上でロールプレイングしてから試してみるのがいいんじゃないだろうか。

ゴードンメソッドメモ - 対決のIメッセージから能動的な聞き方に切り替える

「Iメッセージ」で欲求を伝えても、相手が反発してきたり、防御の姿勢に転じることがあります。その時は「能動的な聞き方」に切り替えて、相手の心を開くのがいい。

例:『親業ケースブック〈成人編〉 』より

 「ねえ、あなた。マージャンするの、土曜日だけにしてくれないかなぁ。普段の日だと、あなたが遅く帰ると私眠れないし、次の朝起きるのが苦痛だし・・・・・・。それに、カギをあけなければいけないし、本当に眠れなくて困るのよ。相手の行動+自分への影響+自分の気持ち)」
 「鈴木君が誘うんだよ。それに、カギなら僕も持っているから、勝手に開けるから、寝ててくれればいいのに。(防御)」
 「寝ててもいいのね。(繰り返し)」
 「うん、寝てればいいんだよ、勝手に起きていて、怒られるとたまんないよ。(防御)」
主人の口調は、少し怒っている様子になりました。
 「でも、あなたが遅いと心配なの。それに、睡眠不足で、次の日は身体がしんどいので、仕事がなんにもできなくなって、仕事がいっぱい残って困るのよ。行動+影響+気持ち)」
すると主人は、少し口調を和らげて答えました。
 「男の付き合いがあるから、断れないんだ。それに、マージャンは面白いよ。」(防御
 「あなた、マージャンが楽しいのね。(言いかえ)」
 「うん、昨夜はついていてね、僕がトップだったんだ。」
うれしそうな表情になって、主人は言いました。
 「良かったね。でも、マージャンするのは、やっぱり土曜日だけにしてほしいわ。土曜日だと次の日が休みで、私も遅くまで起きていられるから。あなたも疲れなくていいでしょう。」
 「そうだなぁ。いくら十一時までにしようと思っても、つい十二時くらいになってしまうもんなあ・・・・・・。おれも、もう若くはないから、疲れが残るようになったよ。」
 「疲れるようになったのね。(繰り返し)」
 「うん。土曜日だけにするよ。おまえにこれ以上、迷惑をかけられんし。」

最後のところは、主人は笑いながらの冗談が半分、テレが半分のような口調でしたが、これまでの会話が、いつも口論になってしまうのにくらべ、大成功だった と思います。もちろん、反省することもあります。私の気持ちを聞いてもらいたいと意識しすぎて、つい押し付け(土曜日だけにして)を強調していました。そ れでもうまくいったのは、マージャンが好きな主人の気持ちを、私が良く聞けたからではないかな、と思います。

 考察

これは、

 「うん、寝てればいいんだよ、勝手に起きていて、怒られるとたまんないよ。(防御)」
主人の口調は、少し怒っている様子になりました。
 「でも、あなたが遅いと心配なの。それに、睡眠不足で、次の日は身体がしんどいので、仕事がなんにもできなくなって、仕事がいっぱい残って困るのよ。行動+影響+気持ち)」

 ここがこの会話のキモだと思う。相手を配慮して話しているのに、こちらを攻撃されると反射的に反撃してしまう。
それを理性のチカラでグッと引き戻して、再度「Iメッセージ」を投げたので結果いいコミュニケーションになったのだろう。
まさに理性的なコミュニケーションのたまものだと思う。

親業-「対決の私メッセージ」で相手の行動を変えるには他にも例が載っているので、よかったら見てみてほしい。
大人だけじゃなく、子供にも効果があることがわかる。
父親が「Youメッセージ」を投げてしまった後に、母親が「Iメッセージ」や「能動的な聞き方」を使って、結果として自分で解決方法を打ち出した子供の話も載っている。
自分の欲求を「Youメッセージ」で送ると、命令、結論の押し付けになって、そこに相手が考える余地はなくなる。
その反面「Iメッセージ」では、自分の困った影響を伝えるので、メッセージを受け取った相手は相手が困ったことの解決方法を考えるので自分の頭で考えることができる。
そして、それがうまくいくと自分の考えた方法で相手に貢献できたという喜びの感情が芽生える。「Iメッセージ」で言葉を伝えることによって、いわゆる「自分で考える力」がつくようになるという興味深い話だと思う。